2015年から始めた「100年食堂訪問」。
北海道の100年以上の歴史を持つ飲食店全てに赴き、その歴史を肌で感じながら食事を頂こうというものです。この企画は椎名誠氏著「にっぽん全国百年食堂」という本を読んだのがきっかけです。
非常に厳しい飲食業界でどうやって100年もの間 商売し続ける事が出来たのか? 敬意を込めて訪問させて頂こうと思いました。
2024年5月31日現在42店舗訪問
※下記お店の一覧の下に各店舗の画像入りの紹介がありますので、
一番下までスクロールして見てみて下さい。
創業年 地域 店名 種類
1872 七飯 湖月 鯉・鰻
1874 釧路 竹老園東家 そば
1875 札幌 東寿し 寿司
1879 函館 五島軒 レストラン
1887 石狩 やまたま 食堂
1889 札幌 まるき そば
1894 小樽 一福 そば
1895 由仁 あけぼの 食堂
1897 厚沢部 前井 食堂
1899 帯広 ふじもり 食堂
1901 函館 阿佐利 すき焼き
1902 倶知安 かねまたみまた そば
1905 池田 よねくら レストラン
1907 旭川 花月会館 レストラン
1907 札幌 三川屋会館 宴会
1914 札幌
ライオン狸小路店 ビヤホール
1914 長万部 かなや 食堂
1915 釧路 北大通東家 そば
1916 増毛 志満川 食堂
1917 旭川 三光舎 すき焼き
1918 札幌 東家寿楽 そば
1918 函館 満る大 そば
1918 函館 かね久山田 そば
1919 小樽 アイスクリームパーラー美園 喫茶
1919 札幌 東家本店 そば
1919 恵庭 思君楼 そば
1919 苫小牧 第一洋食店 レストラン
1920 富良野 池田屋 寿司
1920 帯広 丸福 そば
1920 新得 みなとや そば
1920 室蘭 天勝本店 天丼
1922 旭川 小野木 鳥料理
1923 札幌 菊鮨 寿司
1923 函館 えびす庵 そば
以下もう少しで100年!
1925 三笠 更科 そば
1926 釧路 八千代 寿司
1926 帯広 新橋 豚丼
1926 札幌 第三モッキリセンター 居酒屋
1927 和寒 つたや 食堂
1927 浦幌 かし和家 そば
1927 江別 やま六鮨 寿司
1927 札幌 三徳 そば
1927 函館 やたら家 食堂
1927 新得 せきぐち そば
1928 美深 あさの そば
1928 小樽 米華堂 喫茶
1929 寿都 ダイマル大谷会館 食堂
1929 夕張 吉野家 そば
1929 小樽 あまとう 喫茶
1930 函館 あじさい ラーメン
1931 室蘭 鳥よし 焼鳥
1932 函館 函館美鈴 喫茶
1932 函館 モーリ 喫茶
1933 津別 つべつ西洋軒 食堂
1933 音威子府 常盤軒 そば
1933 帯広 ぱんちょう 豚丼
1933 小樽 千成 寿司
1933 小樽 光 喫茶
1933 札幌 とら屋食堂 ラーメン
1934 帯広 帯広はげ天 天丼
1934 根室 浅草軒 ラーメン
1934 函館 まつ本 天丼
1935 釧路 リリー 喫茶
1935 札幌 う月 食堂
1935 室蘭 清洋軒 ラーメン
1935 函館 来々軒 ラーメン
1936 旭川 八条はま長 食堂
1936 札幌 西林 喫茶
1936 小樽 館 喫茶
1936 函館 祐鮨 寿司
1937 小樽 三川屋 食堂
1937 小樽 大和家 寿司
1937 函館 とり辰 居酒屋
1938 小樽 おたる政寿司 寿司
1939 赤平 勝巳 食堂
1939 旭川 ちろる 喫茶
1939 浦河 わかば 食堂
記念すべき一発目は名寄市にある「三星(みつぼし)食堂」さんです。
名寄市は人口2.8万人、基幹産業が農業の町で、特にもち米の生産量が日本一です。
1912年開業のこの食堂はJR名寄駅の目の前にあり、私が訪問した土曜日も地元のお客さんで賑わっておりました。現在4代目が腕をふるっております。
街に愛された、これぞ100年食堂たるお店でした。
■三星食堂(みつぼししょくどう)
■創業:1912年(明治45年・大正元年)
■住所:名寄市大通南6丁目
■訪問日:2015年3月29日
■頂いたもの:鳥の照焼特製マヨネーズ炒定食=850円
札幌の東に位置する由仁町の「あけぼの食堂」さん。創業は1895年(明治28年)。
由仁町は1892年に開村されたそうなので、開村3年後から存在しているんですね。街のシンボルと言うに相応しいお店です。蕎麦を中心にラーメンや丼ものもあって、永くこの地で地元の方々に親しまれてきたに違いありません。
現在4代目、これからも歴史は刻まれ続けるでしょう。
■あけぼの食堂
■創業:1895年(明治28年)
■住所:夕張郡由仁町中央77
■訪問日:2015年4月4日
■頂いたもの:ざる蕎麦=600円
人口4,700人、夕張市の下の方に位置する厚真町の老舗「かね中食堂(中島食堂)」さん。創業は1910年(明治43年)。
こちらの蕎麦は製麺会社製の麺を使っているらしいですが、十分美味しいです。
(麺のプロが作ったものですから、余程の偏見が無ければ美味しいものです)
蕎麦以外にも様々なメニューを取り揃えており、所謂街の食堂的存在。お店は広くてとっても綺麗。安心して家族で利用出来ます。
■かね中食堂(中島食堂)
■創業:1910年(明治43年)
■住所:勇払郡厚真町京町16
■訪問日:2015年4月4日
■頂いたもの:ざる蕎麦=650円
かつて鰊や鮭で栄華を極めた石狩川河口そばにあるお店。現在は6代目だそうです。メニューは一般的な食堂。シャコ丼が名物のようですが、自分が行った時には残念ながら頂けず。お店の雰囲気は活気があって観光客や地元の方々で繁盛していました。
皆さんの食事を見渡すと全体的に量が多めな感じで、お腹が一杯になりそうなものばかり。民宿も兼営されているようです。
(点字ブロックの上に車が乗っていますが、気付いてずらしました^^;)
■やまたま(いしかり亭)
■創業:1887年(明治20年)
■住所:石狩市親船町109
■訪問日:2015年4月12日
■頂いたもの:天ぷら蕎麦=1,000円
人口16.8万人の帯広市。この街は、農業が盛んな十勝平野の真ん中に位置しております。豊かな作物に恵まれた当地で116年の歴史を持った飲食店「ふじもり」さんがあります。
私どもは帯広で一番おいしいものは、お宅の奥様のお手料理だと思っております。
ふじもりグループは二番目に安くてうまい店を目指して頑張っております。
私達の念願はタッタ一人でもよいから・・・でも できたら一人でも多くふじもりグループは帯広になくてはならぬ店だと言って下さる
この言葉に生涯をかけたいのです。
上の一文はオーダー用紙のクリップボード裏に書かれているお店からのメッセージです。真正面から体当たりで来る言葉ですね。ジーンときます。
店頭のショーウィンドウの中にはズラリと並ぶとても綺麗な食品サンプル。
何だかとても懐かしい、まるで昭和のデパートを思い起こすファミリーレストランです。店内はとても明るく綺麗。店員さんもマニュアルではない、自然な親切さが心地よいのです。
ふじもりさんはカレーライスで有名なインデアンさんも運営されています。
■ふじもり
■創業:1899年(明治32年)
■住所:帯広市 西2条南11丁目8
■訪問日:2015年4月18日
■頂いたもの:天鮨セット=1,404円
七飯町、大沼が目前にある「湖月」さん。こちらは現存する飲食店では北海道最古と思われます。創業は1872年(明治5年)! 廃藩置県が明治4年ですからねぇ。凄いです。
ご主人に色々とお話を伺う事が出来ました。ご主人は現在84歳で3代目。昔は北海道新聞社のカメラマンをしていたそうで、当初はしぶしぶ跡を継いだそうです。
初代の頃は超立派な割烹旅館で、明治天皇もいらっしゃる程の格式だったそう。
こちらで提供される「鯉のあらい」はその時一緒に訪れた天皇の料理番に調理法を教わり、その後名物にしたそうです。 エピソードの一つ一つが重厚!
■湖月(こげつ)
■創業:1872年(明治5年)
■住所:亀田郡七飯町大沼町782
■訪問日:2015年5月2日
■頂いたもの:鯉のあらい定食=1,500円
人口わずか4千人余りの小さな町、厚沢部(あっさぶ)に100年食堂がありました。
前井食堂さんと言えば「黄色いカレー(570円)」。カレー粉と小麦粉をバターで炒めた特製のルウを牛乳で煮込んで作っているそうです。
こちらのカレー、レトルト化されて道の駅などでも販売されております。
正に愛され続けた街の食堂。年齢性別問わず色々な方が食事をされていました。
店内清掃は1日3度も行うそうです!
■前井食堂(まえいしょくどう)
■創業:1897年(明治30年)
■住所:檜山郡厚沢部町本町45-7
■訪問日:2015年5月2日
■頂いたもの:黄色いカレー=570円
1901年(明治34年)開業のこちらのお店、建物は函館大火1934年(昭和9年)の後に建てられたそうです。函館の観光名所の二十間道路はこういった大火の移り火防止の為に作られたんですね。
80年以上も経った木造の建物。狭く入り組んだ廊下の板ひと踏みひと踏みからも重厚な歴史を感じられます。まるで千と千尋の神隠しの「油屋」に入ったような感じになりました。
食事を頂く場所は全て個室となっております。随分沢山の部屋がありました。
最上級のお肉をリーズナブルなお値段で頂けます。
■阿佐利本店(あさりほんてん)
■創業:1901年(明治34年)
■住所:函館市宝来町10-11
■訪問日:2015年5月2日
■頂いたもの:すき焼き(松)特選上級和牛ロース=3,900円
函館山の麓、有名な観光地 二十間坂にあるカジュアルな洋食屋さん。1879年(明治12年)創業。北海道で4番目に古い飲食店です。
古くから親しまれているカレーライスから本格的なフランス料理・ロシア料理のフルコースも頂く事が出来ます。
カレーライスはふんだんに海鮮が使われ、とっても贅沢なものでした。
函館の顔と言えるお店です。最近、何と札幌にも進出しました。
■五島軒本店(ごとうけんほんてん)
■創業:1879年(明治12年)
■住所:函館市末広町4−5
■訪問日:2015年5月2日
■頂いたもの:海の幸カレー=1,728円
函館中心部にある蕎麦店。創業は1891年(明治24年)。蕎麦店としては北海道で3番目の古さですが、一番古い蕎麦店とされる釧路の竹老園東家さんのHPでは当時の竹老園東家の方が丸南本店に奉公に行く等と記されており、このHPだけでは内容がよく読みとれないのですが、丸南本店さんと竹老園東家さんは、その昔からお付き合いがあったようです。
蕎麦は二八蕎麦と思われます。細くしかも均一に切ってある為、喉越しが大変良いです。 私が今迄頂いた蕎麦の中ではトップクラスの喉越し。鰹出汁も上品に出ており、半分位食べた所でタマゴを入れると味替わりで楽しく頂けました。
■丸南本店(まるみなみほんてん)
■創業:1891年(明治24年)
■住所:函館市若松町19-5
■訪問日:2015年5月3日
■頂いたもの:ざるせいろ=720円
1914年(大正3年)創業のかなやさんと言えば全国的に有名な「駅弁のかにめし」。
かにめしは、戦後、弁当の食材の入手が難しくなり、駅構内で弁当を立売販売していた同店の先々代の金谷勝次郎氏が、地方の食生活を査察する為に出張に行った際、留守を預る妻が弁当に代わるものをと車内で「茹で毛ガニ」の販売を始めたのがきっかけでした。
出張から戻った勝次郎氏は茹で毛ガニから「かにめし」を考案、数十度の試作を経て昭和25年「かにめし」は誕生しました。
長万部の振興の為、かなやさんはかにめしの商標を解放し、現在では長万部町内の飲食店、ホテルでかにめしが提供されるようになりました。
今では長万部(おしゃまんべ)と言えば由利徹・・・じゃなくって・・(失礼)「かにめし」となったのです! かなやさん万歳!
■かにめし本舗かなや
■創業:1914年(大正3年)
■住所:山越郡長万部町長万部40-2
■訪問日:2015年5月3日
■頂いたもの:かにめし弁当=1,080円
我が町旭川から花月会館(かげつかいかん)さんです。恐らくソコソコの年齢の旭川人であれば一度は行った事があるでしょう。
私は高校生時代に旭川拓銀ビル地下にあった支店の「ロイヤル花月」というレストランでウェイターのバイトをして、ナイフの並べ方やステーキの焼き加減などを勉強しました。まかない料理も質素だったけど美味しかったなあ・・。
そんな事で花月さんにはヒトシオの思い入れがあります。
■花月会館
■創業:1907年(明治40年)
■住所:旭川市3条通7丁目左8
■訪問日:2015年5月4日
■頂いたもの:かぶと弁当=1,600円
人口7,200人余りの町、池田町。池田ワインで知られたこの土地に、創業110年のレストランがあります。
JR池田駅の目の前に立つこのお店は、ここに住む人々をずっと見て来ました。
お爺ちゃんもお婆ちゃんも、生まれた時には既にこのお店があったのです。
この池田町で生まれ育った池田牛のステーキを頂きました。画像には無いですが、コーンスープとコーヒーも付いてきます。
そして今や全国で作られている「バナナ饅頭」もこのお店が発祥です!
我が町旭川に100年食堂が2つありますがその内の1つ、名人傍さん。
昔々からコチラにお店があるのは知っていましたが、初めての訪問でした。
オーナーのお話では創業時は旭川駅の構内で営業していたらしいです。
店名は敷居が高そうですが、全般的に価格がリーズナブルで、毎日頂いても懐にやさしい、街の人に愛されるお店でした。
やっぱり地域の人に愛される事が永く続く事に繋がるのだなあ・・と思います。
■そば処 名人傍(めいじんぼう)
■創業:1910年(明治43年)
■住所:旭川市1条通8丁目
■訪問日:2015年6月2日
■頂いたもの:天ざるそば=800円
■訪問レポート
釧路市に北海道最古の蕎麦店があります。
創業は1874年(明治7年)です。
1927年(昭和2年)築の建物は丹念に手入れされた庭の奥に佇んでおります。
1953年(昭和28年)には当時の天皇陛下と皇后陛下がお見えになり、蘭切り蕎麦を召し上がったそうです。天皇陛下はその際にお代わりまでされたとの事。
1984年(昭和59年)には皇太子殿下(現在の天皇陛下)と美智子妃殿下(現在の皇后陛下)がお見えになったとの記録があります。素晴らしい歴史ですね。
名物の蘭切り蕎麦は「乱切り」ではなく「卵切り」から来た言葉だそうです。麺に卵黄が練り込んであります。
私も相当沢山の蕎麦を食べ歩きましたが、こんな麺を食べたのは初めてです。
印象は「加水率の低い旭川ラーメンっぽい」感じ。蕎麦は蕎麦ですが、美味しい方向にラーメンぽかったです。とても気に入りました。
一人300円の別料金をを支払うと1927年(昭和2年)築の建物で食事が出来ます。
尚、北海道に沢山ある東家はこのお店が発祥です。
竹老園さんのHPをご覧ください。北海道中に広がる東家の家系図が見られます。
■竹老園東家総本店(ちくろうえんあずまやそうほんてん)
■創業:1874年(明治7年)
■住所:釧路市柏木町3-19
■訪問日:2015年6月13日
■頂いたもの:蘭切り蕎麦=860円・蕎麦寿司=700円
釧路の繁華街にある「北大通東家」さん。
北海道最古の蕎麦店、竹老園東家総本店の暖簾分けのお店です。
石臼で挽いて作られたという名物の「二色せいろ」は貴美せいろ(店主のお母さんから取った名前)と田舎せいろのセット。
迷わずこちらを注文しましたが、残念ながら数量限定で本日は予約して頂いた方のみの提供という事で、普通のざる蕎麦を頂きました。
ざるそばの麺が少し緑掛かっているのはクロレラ(藻)を混ぜてある為だそうです。
と言って何か特別違う味がする訳でもなく、普通の感じの細麺の蕎麦でした。
古くから港湾都市として栄えた小樽(おたる)。そこに121年の歴史を刻む蕎麦店「一福そば店」さんがあります。小樽では最も永く営業してきた蕎麦店です。
4代目が打つ蕎麦は真っ白な更科で、香りと喉越しが大変爽やかでした。
建物外観は至って普通のビルですが、店内は極めて清潔かつ整理されており、この蕎麦の精神に通ずるものがあります。
メニューブックにはお店の歴史のページがあり、現在の4代目店主による丁寧な解説がされており、食べるまでの間に気持ちが盛り上がります。
1912年(明治45年)創業の「やま安」さん。 懐かしい、昔ながらの雰囲気の商店街にあります。
こちらの驚きは全てのメニューが安価な事。もりそば(380円)、ざるそば(450円)、天丼(600円)などなど・・。地域の皆さんが毎日食べてもイイ!と思える価格設定が素晴らしいです。
しかも大衆的なのにキチンと手打ちです。お店は非常に活気があり、近所の人から観光客の人までお客さんで一杯です。
いいナア。こんな店がウチの近所にあったらなぁ。。
倶知安駅前通りに明治時代からの老舗蕎麦店「かねまたみまた」さんがあります。
少し薄暗い店内は、綺麗に掃除が行き届き、大変雰囲気が良いのです。
実はこの蕎麦屋さん、蕎麦屋さんとしても成功しておりますが、天婦羅ラーメンなるものが巷で噂になっている様です。
ラーメンに天婦羅が載っているだけの様ですが、次回はコチラをチャレンジしてみたいと思います。
石狩鍋発祥の店「金大亭」さん。1880年(明治13年)創業。現在4代目が切り盛りをされております。
信じられない事に建物は創業当時のままで、一歩足を踏み入れると一気に135年のタイムスリップであります!
鮭・鱒専門店という事で、私が頂いた「花」コースのメニューは以下の通りです。
一品目・・イクラの醤油漬け
二品目・・氷頭(ひず)のなます (鮭の鼻っ柱が多数入ったなます)
三品目・・メフンの塩辛 (鮭の背の血合の塩辛)
四品目・・ルイベ (鮭の凍った刺身)
五品目・・焼き鮭
六品目・・焼き白子
七品目・・鮭なべ (石狩鍋) となっております。
完全予約制のお店ですのでご注意ください。
今や人口が200万人に届こうかという北の都市札幌。
1875年(明治8年)、まだ札幌市の人口が2,000人程しかいない頃に誕生したのが「東寿し」さんです。
北海道にまだ寿司店が無い当時、東京出身の初代が開業しました。
つまり北海道の寿司店発祥の店なのです。発祥の店でありながら、7代目の現在まで脈々と続く歴史の裏にその時代時代の店主や従業員の皆さんの並々ならぬ情熱があったようです。
創業から数えて140年、今は真新しいビルにお店を構えており、ススキノの街並みを見下ろしながら楽しい食事が出来ました。
■東寿し(あずまずし)
■創業:1875年(明治8年)
■住所:札幌市中央区南4条西3丁目 キタコー S4 ビル 7・8 階
■訪問日:2015年7月29日
■頂いたもの:みやび=3,300円
1889年(明治22年)創業の札幌で最も歴史のある蕎麦店です。
このお店の特徴はサイドメニュー、蕎麦と一緒にお酒を飲みましょう的なものが非常に豊富な事です。
蕎麦屋でお酒(日本酒)のルーツは江戸時代に遡り、創業400年豊島屋酒造の豊島屋十右衛門が仕掛けたそうです。当時江戸っ子に人気のあった蕎麦屋で、蕎麦が茹で上がる前にちょいと一杯というスタイルが最初に確立したようです。
多分、今で言う洒落た居酒屋のようなものですね。粋な感じがしますねぇ。
蕎麦は二八の中細。
冷たい水でキュッと締められており、コシがあって、小分けで器に乗っています。薫り良い蕎麦を流れる様に頂く事が出来、気持ちが良い。蕎麦はヤッパリ喉越しですねぇ。
そして、私が麺の次に重要視しているのは薬味のネギ。(蕎麦つゆではない)
ネギの刻み方が非常に繊細で、ネギの爽やかなエキスが蕎麦つゆに良く馴染み、蕎麦と絡めた時に最高のハーモニーを奏でるのです。
そしてそして、店内の雰囲気が最高。都会的で若干薄暗い店内には静かにJAZZが流れ、これぞ正に理想の蕎麦店。タバコの分煙も地下と1階で分かれております。
蕎麦を食べ終わった時に店員さんがさり気無く蕎麦茶を持って来てくれ、ふうっと一息入れて蕎麦の味を回想します。堪らないです。
1914年(大正3年)オープンの「ビヤホール ライオン 狸小路店」さん。
勿論、現存する北海道最古のビヤホールであります。
このお店、大元は1899年(明治32年)創業の㈱サッポロライオン(つまりサッポロビール系の会社です)に属しておりますが、サッポロビールの歴史と共に101年を歩んできた訳ですね。
賑やかな場所で美味しいビールを沢山頂き、ほろ酔い気分で100年前はどんなお店だったのか なんて思いを馳せるのも楽しいものです。
■ビヤホール ライオン 狸小路店
■創業:1914年(大正3年)
■住所:札幌市中央区南2条西2丁目7 サッポロビル
■訪問日:2015年7月29日
■頂いたもの:エビス黒生、エーデルピルス、サッポロクラシックほか
この海陽亭さんの創業は1881年(明治14年)、建物は一番古い部分で、1896年(明治29年)と言われており、小樽市指定歴史的建造物 第2号です。
という事もあって食事をしなくても一人1,000円を支払うと解説付きの案内を受ける事が出来ます。
さてこの料亭、かつては初代総理大臣=伊藤博文・二代目総理大臣=黒田清隆・外務大臣や文部大臣などを歴任した榎本武揚らが楽しみ、また近年では石原慎太郎・裕次郎兄弟も愛した料亭で、映画「弟」の舞台にもなりました。
来店した著名人の色紙が飾られている部屋があり、松本清張・宇野重吉・桂米朝・藤山寛美・アランドロン・長嶋茂雄・岡本太郎・・私には縁遠い方々の沢山の色紙がこの海陽堂さんの歴史を演出しております。
■三川屋会館(みかわやかいかん)
■創業:1907年(明治40年)
■住所:札幌市中央区南3条西5丁目
■訪問日:2015年10月10日
■頂いたもの:おまかせの昼食=2,000円+飲み物代
観覧車の目の前に三川屋さんがあります。
26店舗目以降はPart2をご覧下さい。