ネットで北海道-真冬のキャンプを検索すると僅かではあるが、確かにエンジョイしている人達がいるではないか。
まあ、冬の山岳キャンプをやっている人に比べたら環境は随分マシなのかも知れないが、氷点下のキャンプは軟弱な生活をしている人間にとって、どう考えても命懸けなのは容易に想像出来る。
まあ山があるからそこに登る。北海道があるからキャンプに行くっていうのは、ほぼ同意語に違いないんで、そう深くは考えずに実行に移したぞ。
※家族の制止を振り切ったのは言うまでもない
家の除雪やらキャンプ道具の準備やらで出発が昼近くになってしまった。
電光掲示板には「気温マイナス17℃」路面温度「マイナス4℃」の表示。
うーん寒いぜ。
食料はホルモン、パン類、カップ麺、おでんセット、茶碗蒸し、ビールに日本酒などなど、3,000円以上も買い込んでしまった。これも真冬キャンプへの怯えか。
そうそう、今宵はワカサギ釣りをして それを天婦羅にするんで、料理の準備もしてきたぞ。
正に雪の壁。この辺は北海道でも最も雪の多い豪雪地帯。
こんな道路、いい大人が理由も無くウキウキしてしまうのであった。
わかさぎ釣りは初めてなもんで(そもそも釣り自体余りしない)その旨受付の人に伝えるとインストラクターの様な陽気なおじさんが出てきて、指導をしてもらった。と言っても取り立てて難しいものではなく、アタリがあったらシャクれ、とか小刻みに竿を動かして誘え、とかそんな感じ。
釣竿はホームセンターなどで1,000円前後で売られているもの。小さな竿に5つほど針が付いていて、そこに生餌を付けて水に垂らすだけという、釣りに疎い私でも驚くほど気軽に出来る漁なんだな。
あと必要なものは穴あけのドリル(1万円前後)穴に張る氷をすくう網(何百円)。
ドリルはこういった所だと貸してくれるので、頻繁に来ないのであればここで借りるか持っている誰かから借りるかすればいいと思う。
あと寒い日はテントが必要だな。自分はここで既に設営されているテントを借りた。通常3,000円のところ、終業時間が2時間後に迫っていたのでサービスしてもらった(朱鞠内湖の管理人の方、アリガトウ!)
入漁料が大人一人1,000円、駐車場が300円、竿セットを借りれば500円。手ぶらでも全く問題なし。
朱鞠内湖は人造湖で日本有数の面積。
夏はキャンプに最適の場所。向こうが霞んで見える。しかし、、寒い。
湖の上にテントを張る事は出来ないとの事で、駐車場にテントを設営。
風も無く穏やかで、何の問題も無し。
夏と違うのは設営場所を除雪した事位か。(右に赤い雪ハネ。無理やりロードスターの助手席に載せて(乗せて!?)来た。
この日の為にコールマンのガソリンストーブ(コンロ)を購入していた。
しかしここで誤算が。。こんなの簡単に使えるだろうと高をくくって一度も試し焚きをしていなかったのが災いし、どうしても上手く燃焼させられない。
写真は順調かの様な燃え方をしているが時間が経つと消えてしまう。説明書には火を着けたら再度ポンピングしろとか書いてあるが、ポンピングした途端に消えるし、暗くなってきて手元は良く見えないし。
何回も何回も着火消火を繰り返す事15分。手はかじかむし嫌気が差してきて、実験用に持ってきたガスストーブでお湯を沸かす事にした。実験って何かって?ガスストーブが氷点下何度まで使えるか・・です。
氷点下7℃でも一応着火したが、かなり弱火だ。しかし今はこれに頼るしかない。15分以上かけてお湯を沸かし、とりあえずカップヌードルで飢えをしのいだのであった。。
ちなみに木炭も持ってきており、これで炭火ホルモン&日本酒やビールで宴・・という予定だったが、コールマンの一件で激しいテンションダウン。
わかさぎの天婦羅どころではない。やる気ゼロになった。こんなにやる気が無くなってガッカリしたのは日常生活を含め初めて。
ちなみに点火が上手くいかなかった理由:ポンピングのやり方が間違っていました。ポンプの穴を押さえずポンピングしていたという全くお粗末なお話です。
予定⇒ガソリンストーブで豪快に湯沸し&天婦羅、炭でホルモン、星空に乾杯。
実際⇒寒さで炎がチョボチョボのガスストーブで かろうじてカップ麺をすする。
寒いけど空を見上げると素晴らしい星空。風はほとんど無風でメチャクチャ気持ちいい。周囲には誰もいない静寂の中、一人佇んだ。
しかし、わかさぎの天婦羅・ホルモンなんかをつまみながら日本酒・ビールを飲んで静かな夜更けを楽しむはずだったのが予定が大きく狂い、急に帰りたくなってきた。
3分ほど考え、結論「帰る」。じっとワカサギ釣りをしていた時間を含め、体が完全に冷え切ってしまい、心が折れた。
明日にかけ、北海道は大荒れなんてニュースがラジオから流れているし。
片山右京も無理が祟って大事故になってしまったし(スケールは大きく違うけどね)
帰りの山道。全く誰ともすれ違わない。道はとても走りやすいアイスバーンに少し圧雪的路面。適度にグリップがある。
しかし、このロードスター、こんな道を走らせていると本当に楽しい。
クルマのバランスがとても良いのが分かる。
但しこの楽しさもここまでで、交通量の多い国道40号線に出てからは、スーパーアイスバーンで冷や冷や。他の車と同じペースで走るのが怖い。(この地ではクラウンですら多くは4WDなのです) ショートホイルベースでFRで、、全く気は抜けない。フルタイム4WDのレガシイなんかと比べると5倍は疲れる。これは誇大でも何でもなく・・。
そうそう、釣果は見ての通りです。朝の方が釣れるらしいです。
で、本日の教訓。
・新しい道具は試しに使ってみてから現場に赴け
・テントの設営などの準備はもっと早い時間に